2025.08.16
筋トレを毎日やるのは逆効果?効果的な方法とメニューの組み方を解説
筋トレを頑張っていると「毎日やった方が早く筋肉がつくのでは?」と思う方も多いでしょう。 筋トレを毎日行うこと自体は問題ありませんが、やり方を間違えると逆効果になる可能性があります。 正しい知識と方法で取り組めば、毎日筋トレを行いながらも効果的に筋肉を成長させることができるのです。 この記事では、毎日筋トレを行う際の注意点から具体的なメニューの組み方まで詳しく解説します。
筋トレを毎日やると逆効果は嘘?本当?

「毎日筋トレをすると逆効果」という話を聞いたことがある方も多いでしょう。
この疑問を解決するために、まずは筋トレの基本的な仕組みから確認していきましょう。
筋トレは週に2〜3回がベスト
一般的に、筋トレの頻度は週に2〜3回が理想とされています。これは筋肉の「超回復」という現象に基づいた考え方です。
筋トレを行うと筋繊維に微細な損傷が起こり、その修復過程で筋肉は元の状態よりも強く成長します。
この修復には、一定の時間が必要です。
十分な休息を取らずにトレーニングを続けると筋肉が回復する前に再び損傷を受け、疲労が蓄積しやすくなります。
筋肉の超回復と回復時間
筋肉の超回復にかかる時間は、筋肉の部位や個人差によって異なります。
一般的な回復時間は、以下のとおりです。
- 72時間(約3日):広背筋、大腿四頭筋、大腿二頭筋、脊柱起立筋などの大きな筋肉群
- 48時間(約2日):大胸筋、大臀筋、上腕二頭筋、上腕三頭筋、三角筋、僧帽筋などの中程度の筋肉群
- 24時間(約1日):腹筋、前腕筋群、ふくらはぎの筋肉(下腿三頭筋)など、比較的小さな筋肉群
回復時間を考慮せずに同じ部位を連続でトレーニングすると、筋肉の成長が阻害される可能性があります。
筋トレをする際は、回復時間を意識することで、怪我の予防やパフォーマンス低下の防止にもつながるでしょう。
筋トレを毎日するなら部位別に分ける!

毎日筋トレを行いたい場合は「部位別分割法(スプリットトレーニング)」がおすすめです。
この方法を使えば、筋肉の回復時間を確保しながら毎日トレーニングを継続できます。
具体的なメリットと方法を見ていきましょう。
部位別に分けるメリット
部位別分割法(スプリットトレーニング)の大きなメリットは、各部位に十分な休息期間を与えながら、他の部位をトレーニングできることです。
一度に鍛える部位が限られるため、集中力を維持して高品質なトレーニングが可能になります。
全身を一度に鍛えようとすると、後半の種目では疲労により集中力が低下してしまいがちですが、部位別に分けることでこの問題を解決できるでしょう。
また、同じ部位でも異なる角度や種目でアプローチできるため、筋肉への刺激が多様化し、筋肉の発達が促進されます。
毎日異なる部位をトレーニングすることで、飽きることなく継続できるというモチベーション面でのメリットも期待できるでしょう。
筋トレを毎日やる場合のメニューの組み方
筋トレを毎日行う場合、それぞれのレベルに合った部位別分割法でトレーニングを開始しましょう。
初心者向け:2分割
- 1日目:上半身(胸・背中・肩・腕)
- 2日目:下半身(脚・お尻・腹筋)
この2日を、交互に繰り返してトレーニングしていきます。
中級者向け:3分割
- 1日目:胸・三頭筋
- 2日目:背中・二頭筋
- 3日目:脚・肩・腹
3日ごとに、このサイクルで回していきます。
上級者向け:4〜5分割
- 1日目:胸
- 2日目:背中
- 3日目:脚
- 4日目:肩
4〜5分割法は、1回のトレーニングで1〜2部位だけを集中して鍛える方法です。
筋肥大を狙う場合や、部位ごとの成長を細かく管理したい人に向いています。
1週間の筋トレメニュー例
毎日筋トレを行う場合の具体的な1週間メニュー例を見ていきましょう。
月曜日:胸・上腕三頭筋
- ベンチプレス:3セット×8〜10回
- インクラインダンベルプレス:3セット×10〜12回
- ディップス:3セット×10〜15回
- トライセプスプレスダウン:3セット×12〜15回
火曜日:背中・上腕二頭筋
- デッドリフト:3セット×6〜8回
- ラットプルダウン:3セット×10〜12回
- シーテッドロウ:3セット×10〜12回
- バーベルカール:3セット×12〜15回
水曜日:脚
- スクワット:4セット×8〜10回
- レッグプレス:3セット×12〜15回
- レッグカール:3セット×12〜15回
- カーフレイズ:4セット×15〜20回
木曜日:肩・腹筋
- ショルダープレス:3セット×10〜12回
- ラテラルレイズ:3セット×12〜15回
- リアレイズ:3セット×12〜15回
- プランク:3セット×30〜60秒
金曜日:胸・上腕三頭筋(軽め)
- ダンベルプレス:3セット×12〜15回
- インクラインフライ:3セット×12〜15回
- プッシュアップ:3セット×15〜20回
土曜日:背中・上腕二頭筋(軽め)
- ラットプルダウン:3セット×12〜15回
- ダンベルロウ:3セット×12〜15回
- ハンマーカール:3セット×12〜15回
日曜日:軽い有酸素運動またはストレッチ
このメニュー例では、月曜日と金曜日、火曜日と土曜日に同じ部位をトレーニングしていますが、後半の日は軽めの強度に設定しています。
これにより、筋肉に適度な刺激を与えながら回復も促進できます。
また、日曜日は完全休息日または軽い運動にすることで、1週間の疲労をリセットし、翌週に向けて体調を整えることが可能です。
このメニューをそのまま実行するのではなく、自分の体調や回復具合に応じて柔軟に調整していきましょう。
毎日の筋トレ効果を上げるポイント

毎日筋トレを行う場合、ただやみくもに継続するだけでは効果は期待できません。
効果を最大化するためのポイントを、3つご紹介します。
適切な負荷と回数を設定する
筋トレの効果を最大化するためには、目的に応じた適切な負荷設定が重要です。
- 筋力向上:1〜5回で限界となる高重量(85〜100%RM)
- 筋肥大:6〜12回で限界となる中重量(70〜85%RM)
- 筋持久力向上:13〜20回で限界となる軽重量(50〜70%RM)
私が仕事でトレーニングを担当しているのは主に高齢者ですが、低負荷でも毎日継続してトレーニングを行うことで、立ち上がることができるようになったり杖で歩行できるようになったりと、確実に機能改善されています。
つまり、年齢を問わず一人ひとりに合った適切な負荷量でトレーニングすることが、能力を高める上でとても重要です。
毎日筋トレを行う場合は、筋肥大を目的とした6〜12回の範囲を基本とし、疲労度に応じて軽めの重量も組み合わせると良いでしょう。
参考:公益財団法人高松市スポーツ協会『「RM法」について』
タンパク質を適切なタイミングで摂取する
タンパク質の効果を最大化するためには、トレーニング後30分以内の摂取が良いとされています。
このタイミングで20〜30gのタンパク質を摂取することで、トレーニングによって損傷した筋繊維の修復を効率的に促進できるでしょう。
また、良質なタンパク質源としては、鶏むね肉、魚類、卵、乳製品などの動物性タンパク質が挙げられます。
毎日筋トレを行う場合、一般の人よりも多くのタンパク質が必要になり、体重1kgあたり2.0〜2.5gの摂取が推奨されています。
忙しくてなかなかバランスの良い食事が取れないという方には、手軽に摂取できるプロテインもおすすめです。
睡眠と休息をしっかり取る
筋肉の成長は、主に睡眠中に起こります。
毎日筋トレを行う場合は、7〜9時間の睡眠時間を確保し、睡眠の質にもこだわりましょう。
- 就寝2〜3時間前までに夕食を済ませる
- 就寝1時間前からスマートフォンなどのブルーライトを避ける
- 一定の就寝・起床時間を維持する
毎日のトレーニングを最大限活かすためにも、鍛えることと同じくらい休むことを意識しましょう。
毎日筋トレを継続するための注意点

怪我なく長期間トレーニングを続けるには、気をつけるべきポイントがあります。
ここでは、毎日筋トレを安全に継続するための注意点を解説します。
オーバートレーニング症候群を予防する
オーバートレーニング症候群は、過度なトレーニングにより身体が慢性的な疲労状態に陥る症状のことです。
身体的なサインとして、安静時心拍数が普段より10回以上心拍数が高い状態が続く場合は注意が必要です。
いつもと同じトレーニングをしているにも関わらず、パフォーマンスの低下などの兆候が見られた場合も、トレーニングを中断し休息を優先しましょう。
また、意欲低下や集中力の欠如などの精神的な症状もオーバートレーニング症候群の兆候の一つです。
定期的に自分の体調のチェックをし、身体の声に耳を傾けながらオーバートレーニング症候群を予防していきましょう。
怪我を防ぐための準備運動と整理運動を必ず行う
毎日の筋トレを継続するには、怪我の予防が大切です。
トレーニング前には、5〜10分間の軽い有酸素運動や腕回し・脚上げなどの動的ストレッチ、筋トレをする部位の可動域を広げる運動など、準備運動を入念に行いましょう。
また、トレーニング後も呼吸を整えながら軽い有酸素運動を行い、静的ストレッチでゆっくりと筋肉の緊張をほぐしていきます。
安全に筋トレを行うためにも、準備運動と整理運動は必ず行いましょう。
まとめ

筋トレを毎日行うことは、正しい方法で取り組めば決して逆効果ではありません。
同じ部位を連続で鍛えるのではなく、部位別に分割して適切な回復時間を確保することが大切です。
また、タンパク質の摂取や質の高い睡眠の確保など、トレーニング以外の面にも意識を向けると、より効果的に鍛えることができます。
自分の体調や生活リズムに合わせて調整しながら、楽しく筋トレを続けていきましょう。
BRLabでは無理なく継続できるトレーニングを提供しています。本記事でまとめた毎日の筋トレメニューはもちろん、お客様一人ひとりに合わせたプログラムを作成し、正しいフォームで安全に筋トレを行えるようサポートします。どんな目的でもぜひお気軽に「ご相談・体験予約」をしてください。
この記事を書いた人
村上ちか
所属店舗
BRLab編集部
趣味
音楽鑑賞、ウォーキング
得意分野
機能改善、ボディケア、肩こり腰痛などの疼痛予防