2025.09.30
【年齢別】体脂肪率の平均値|男性・女性の理想範囲と改善方法も紹介
体脂肪率は「体重に占める脂肪の割合」を示す指標であり、健康管理やダイエットを考えるうえで非常に重要です。単なる体重の増減だけでは、筋肉が多いのか脂肪が多いのかを正確に把握できません。 特に「自分の年齢や性別の平均値と比べてどうなのか?」「理想の数値に近づけるには何をすべきか?」と疑問を持つ方は多いでしょう。 この記事では、体脂肪率の基礎知識から年齢別・性別の平均値、理想的な数値、そして改善方法までを徹底解説します。
体脂肪率とは?

体脂肪率は、健康状態を判断する上で欠かせない数値です。体重やBMI(ボディマス指数)と混同されがちですが、体脂肪率はより「身体の質」を反映します。
ここでは、体脂肪率の定義や計算方法、脂肪が担う役割、そしてBMIとの違いを整理していきましょう。
体脂肪率の定義と計算方法
体脂肪率とは、体重に占める脂肪の割合(%)を指します。計算式は以下のとおりです。
体脂肪率(%)= 体脂肪量(kg) ÷ 体重(kg) × 100
たとえば、体重60kgの人で体脂肪量が12kgなら、体脂肪率は20%となります。
実際には家庭用の体組成計(生体電気インピーダンス法)が広く普及しており、足裏や手から微弱な電流を流して体組成を推定します。ただし、測定条件(食事直後や水分量など)によって数値は変動しやすい点に注意が必要です。
体脂肪の役割
「脂肪=悪いもの」というイメージを持つ方もいますが、体脂肪は生命維持に欠かせない以下のような役割を担っています。
- エネルギーの貯蔵:食事から得た余剰エネルギーを蓄え、空腹時に利用できる
- 体温の維持:断熱材として身体を寒さから守る
- 内臓の保護:クッションのように内臓を衝撃から守る
- ホルモンの調整:脂肪細胞からはレプチンなどのホルモンが分泌され、食欲や代謝をコントロールする
脂肪は「必要量を超えると健康リスクになる」ものであり、適度な量を維持する必要があります。
BMIとの違いとそれぞれの活用法
BMI(Body Mass Index)は、体重(kg)÷身長(m)²で計算される「肥満度の目安」です。WHOや厚生労働省も肥満判定の指標として採用しています。
しかし、BMIは筋肉と脂肪を区別できません。たとえば、アスリートやボディビルダーは筋肉量が多いためBMIが高く出ても、体脂肪率は低いケースがあります。一方で、見た目は細いのに体脂肪率が高い「かくれ肥満」の人は、BMIでは正常範囲に収まってしまうことがあります。
そのため、BMIは「体重と身長のバランスを確認するための指標」、体脂肪率は「健康や見た目の質を把握するための指標」として捉えるのが適切です。
両者を組み合わせてチェックすると、自分にとって本当に必要な改善点を見つけやすくなり、より正確に健康状態を把握できるでしょう。
年齢別・性別の体脂肪率平均値一覧表

自分の体脂肪率が標準の範囲にあるかどうかを判断するには、年齢や性別ごとの平均値を参考にすることが欠かせません。男女では筋肉量やホルモンの働きに違いがあり、さらに加齢とともに体脂肪率は少しずつ上昇していきます。
ここでは、男性・女性それぞれの平均値を年代別にまとめ、体脂肪率が変化する仕組みについても解説します。
男性の年齢別体脂肪率平均値
男性は筋肉量が多いため、体脂肪率の平均値は女性よりも低めです。
- 20代:15〜20%
- 30代:17〜22%
- 40代:18〜23%
- 50代:19〜24%
- 60代以上:20〜25%
若いうちは筋肉量が多く脂肪がつきにくい傾向がありますが、30代以降は基礎代謝の低下により徐々に体脂肪率が上昇していきます。
女性の年齢別体脂肪率平均値
女性は妊娠・出産に備えて脂肪を蓄える働きがあり、男性より体脂肪率の平均値は高めです。
- 20代:22〜27%
- 30代:23〜28%
- 40代:24〜29%
- 50代:25〜30%
- 60代以上:26〜31%
女性は年齢とともにホルモン分泌が変化し、特に閉経前後には脂肪のつき方が大きく変わることが知られています。
年齢による体脂肪率変化のメカニズム
年齢を重ねるにつれて基礎代謝が低下し、同じ量を食べても消費されるカロリーが少なくなるため、余分なエネルギーが脂肪として蓄積されやすくなります。また、筋肉量も減少していくため、以前と同じ生活をしていても太りやすい体質へと変化していくでしょう。
特に中年以降は、ホルモンバランスの変化が脂肪の蓄積に影響を与え、内臓脂肪がつきやすくなる傾向にあります。運動不足や食生活の乱れといった生活習慣も、体脂肪率上昇を後押しする大きな要因です。
体脂肪率の上昇を抑えるためには、適度な運動やバランスの取れた食事を心がけ、健康的な範囲にコントロールしていきましょう。
理想的な体脂肪率の目安と健康への影響

体脂肪率は単に見た目やダイエットの指標ではなく、健康状態を左右する重要な数値です。平均値と比較して、自分の体脂肪率が高すぎる・低すぎる場合には、それぞれにリスクがあります。また、見た目は細くても内臓脂肪が多い「かくれ肥満」の可能性もあるため、数値の管理が欠かせません。
ここでは、男女別の理想的な体脂肪率や、数値が適正範囲から外れた場合の健康リスクについて詳しく解説します。
健康的な体脂肪率の範囲(男女別)
健康を維持するうえで目安となる体脂肪率は、年齢や性別によって異なります。以下は一般的に推奨される健康的な範囲です。
男性:10〜20%
- 10%未満:筋肉質だが脂肪が少なすぎる可能性
- 20%前後:健康的で体型維持がしやすい
女性:20〜30%
- 20%未満:生理不順やホルモンバランスの崩れに注意
- 30%前後:健康的で美容・体力のバランスも良好
この範囲内であれば、生活習慣病や免疫力低下のリスクが比較的低く、日常生活の活動にも支障が出にくいと考えられます。
参考:日本赤十字社長浜赤十字病院『体脂肪率』
体脂肪率が高すぎる場合のリスク
体脂肪率が高すぎる状態は、見た目の問題だけでなく糖尿病や高血圧、脂質異常症などの生活習慣病の発症リスクも高まります。
心筋梗塞や脳卒中などの循環器系疾患とも深く関係しており、放置すると命に関わるリスクにつながる可能性もあるでしょう。
また、体脂肪が多い状態は関節や骨への負担も増加させ、膝や腰の痛み・骨折のリスクを高める原因となります。筋肉量に対して脂肪が多い場合は基礎代謝が低下しやすく、日常生活での消費エネルギーが減るため、体脂肪のさらなる蓄積を招きやすくなるでしょう。
体脂肪率が低すぎる場合の問題点
体脂肪は、エネルギーを蓄えるだけでなく、ホルモンの分泌や免疫機能、体温の維持にも関わる重要な組織です。
女性の場合、生理不順やホルモンバランスの乱れが起こりやすく、無月経や骨密度の低下、さらには将来的な骨折リスクの増加につながることがあります。
男性でも、極端に体脂肪が少ない場合はテストステロンの分泌低下や筋肉量の減少が起こり、基礎代謝や体力が低下しやすくなるでしょう。
かくれ肥満の危険性と見分け方
見た目は細くても、内臓脂肪が多く「かくれ肥満」の状態にある人も少なくありません。この場合、BMIでは正常範囲でも生活習慣病リスクが高まります。
- お腹周りがぽっこりしている(内臓脂肪蓄積)
- 血糖値や血圧に異常がある
- 運動不足なのに体重が標準の場合
かくれ肥満は自覚しにくいため、体脂肪率の測定や腹囲のチェックが大切です。
運動と食事管理の組み合わせにより体脂肪率を適正範囲に戻すことで、見た目だけでは分からない健康リスクを改善できるでしょう。
正確な体脂肪率の測定方法と注意点

体脂肪率を正しく把握することは、健康管理やボディメイクの成果を確認するうえで欠かせません。ただし、測定方法やタイミングによって数値は変動するため、注意が必要です。
ここでは家庭でできる測定方法からより専門的な測定までを紹介し、正確なデータを得るためのコツを解説します。
家庭用体組成計での測定方法
家庭用体組成計は、手軽に体脂肪率を測定できるため、多くの人に利用されています。主に「生体電気インピーダンス法(BIA)」を用いており、体内の水分量を電流の通りやすさで推定し、体脂肪率を算出します。
測定の手順
- 素足で体組成計に立つ
- 電流が流れるのを待つ(数秒で測定完了)
- 体脂肪率・筋肉量・基礎代謝量などを確認
測定する際は、毎回同じ時間帯(朝起きて排尿後など)に行いましょう。水分や食事の影響で数値が変わるため、食前・空腹時が理想です。
測定時の注意点とコツ
家庭用体組成計で正確な体脂肪率を測るためには、以下の点に注意すると良いでしょう。
- 測定前の水分摂取は控えめにする
- 入浴直後や運動直後は測定を避ける
- 体組成計は水平な床に置き、立つ位置を毎回同じにする
- 数値の変動より「継続的な推移」を確認する
これにより、日々の測定データを正確に比較し、体脂肪率の改善や管理に役立てることができます。
より正確な測定を行う専門機器
より高精度な体脂肪率測定を希望する場合は、ジムや医療機関で使用される専門機器を利用するのがおすすめです。
- DEXA法(二重エネルギーX線吸収法): 骨量・筋肉量・脂肪量を高精度で測定可能。医療現場でも利用される標準的な方法。
- 水中体重測定法(ハイドロスタティック法):水中での体重差から体脂肪量を算出。非常に精度が高いが、施設が限られる。
- 高精度BIA(医療用体組成計):手足全てに電極を装着し、体全体の体脂肪率を測定。家庭用より誤差が少ない。
このような専門機器を活用すると、見た目だけでは判断できない体脂肪率や筋肉量を正確に評価でき、トレーニングや食事管理に反映させることができます。
体脂肪率を改善するための効果的な方法

体脂肪率を健康的な範囲に改善するには、食事・運動・生活習慣の総合的なアプローチが必要です。単に体重を落とすだけではなく、筋肉量を維持しながら脂肪を減らすことが、理想的な体脂肪率の改善には欠かせません。
ここでは、実践しやすく効果的な方法を4つの視点から解説します。
食事管理による体脂肪率コントロール
体脂肪率を健康的に改善するためには、食事の内容と摂取カロリーの適切な管理が大切です。単に体重を落とすだけではなく、筋肉量を維持しながら脂肪を減らせるようにコントロールできると良いでしょう。
まず、1日の総摂取カロリーを基礎代謝量と日常活動量に見合った範囲に調整することが大切です。これにより、過剰な脂肪の蓄積を防ぎつつ、健康的に体脂肪率をコントロールできます。
筋肉量を維持するためには、体重1kgあたり1.2〜1.5gのたんぱく質を目安に摂取すると良いでしょう。鶏胸肉や魚、大豆製品、卵など、良質なたんぱく質を中心に取り入れると、筋肉を落とさず脂肪を減らすことが可能になります。
また、過剰な糖質摂取は血糖値の急上昇を招き、余剰分が脂肪として蓄積されやすくなります。脂質もトランス脂肪酸を控え、オメガ3脂肪酸など健康に良い脂質を適度に摂ることが大切です。
有酸素運動の効果と実践方法
有酸素運動は、ジョギングやウォーキング、サイクリング、水泳など、心拍数を適度に上げて持続的に体を動かす運動のことです。これらの運動は、体内の脂肪をエネルギーとして消費する働きがあり、特に内臓脂肪の減少に効果的であることが知られています。
実践方法は、週に3〜5回、1回30分以上の運動を目安に行うことが推奨されます。初めは無理のないペースで始め、慣れてきたら運動強度を少しずつ上げることで、より効率的に脂肪を燃焼できます。ウォーキングやジョギングの場合は、心拍数が軽く上がる程度のペースを維持し、会話ができるくらいの負荷で行うのが理想的です。
また、最近注目されているのがHIIT(高強度インターバルトレーニング)です。短時間で高強度の運動と休息を交互に行うこのトレーニングは、脂肪燃焼効率が高く、時間のない方でも取り入れやすいのが特徴です。
有酸素運動の継続により、脂肪が減るだけでなく心肺機能の向上やストレス軽減などの健康効果も期待できます。体脂肪率を改善したい方は、食事管理と組み合わせて、無理のない範囲で有酸素運動を取り入れましょう。
筋力トレーニングによる基礎代謝向上
体脂肪率を健康的に改善するためには、筋力トレーニングを取り入れることが効果的です。筋肉量が増えると基礎代謝が向上し、安静時でも消費されるエネルギーが増えるため、脂肪を燃焼しやすい体を作ることができます。
また、筋力トレーニングは、筋肉を増やすだけでなく骨密度の維持や姿勢改善、日常生活動作の安定性向上にも役立ちます。体脂肪率を健康的に管理しながら、生活の質を高めるためにも、筋力トレーニングは欠かせない習慣といえるでしょう。
生活習慣の見直しポイント
体脂肪率を効果的に改善するためには、食事や運動だけでなく、日常生活の習慣を見直すことも大切です。睡眠不足はホルモンバランスを乱し、食欲増加や脂肪蓄積の原因となります。毎日一定の時間に就寝・起床し、深い睡眠を確保すると、体脂肪の効率的な燃焼につながります。
また、慢性的なストレスはコルチゾールと呼ばれるホルモンの分泌を促し、内臓脂肪の増加や過食につながりやすくなります。ストレッチや軽い運動・趣味の時間を取り入れ、ストレスをコントロールしていきましょう。
日頃運動をしていない方は、階段を使ったり通勤で歩く距離を増やしたりと、日常的な活動量を増やすことも大切です。
私が機能訓練指導員として高齢者の体力向上指導を行う中で、「きつい運動」よりも「継続できる習慣」の方が長期的な成果につながることを実感しています。特に生活習慣の改善は、運動や食事制限よりも取り組みやすく、確実に効果を実感できるでしょう。
まとめ

体脂肪率は単なる見た目の指標ではなく、健康状態や生活習慣病リスクを反映する重要な数値です。年齢や性別によって平均値や理想値は異なり、加齢や生活習慣によって変動します。
体脂肪率を改善するためには、食事管理・有酸素運動・筋力トレーニング・生活習慣の見直しの総合的アプローチが効果的です。正確な測定と改善方法を組み合わせることで、健康で引き締まった体を維持できるでしょう。
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この記事を書いた人
村上ちか
所属店舗
BRLab編集部
趣味
音楽鑑賞、ウォーキング
得意分野
機能改善、ボディケア、肩こり腰痛などの疼痛予防